乳歯のムシ歯を放っておくとどうなるの?

平成25年3月11日(月) 東愛知新聞掲載

乳歯は生後半年ぐらいたつと、まず下の前歯が、次に上の前歯が、その次に奥歯という順に生えてきます。
 平均すると2歳半ごろまでに全部で20本の乳歯が生え揃いますが、これには個人差があり、生えてくるのが遅いからといって、余り心配することはありません。
 保健所などでおこなわれる、1歳6カ月児や3歳児健診で、ムシ歯のある子供はあまり見かけませんが、3歳を過ぎる頃から行動範囲が広がり、おやつの回数が増えたり、親の知らない所で甘い物や甘い飲み物を摂取することが多くなったりして、お口の中の衛生状態が悪くなると、当然ムシ歯を作ってしまうことになります。
 乳歯の初期ムシ歯は、痛みもなく、見た目にもわかりにくいので、見逃しやすく、少しずつ進行して、段々とムシ歯が広がり、歯の神経の近くにまで広がると、冷たい物に凍みたり、自発痛(何もしなくても痛い状態)が出現します。
 こういった症状が出て、そこで初めて親御さんが気付く場合もあり、歯医者さんでムシ歯の治療をしなければならないことになりますので、就学時前の子どものお口の中は、親御さんが1日1回は歯磨きを確認しながら、よく観察してあげて下さい。
 早期発見が何よりも大切になります。
 これは乳歯に限らず永久歯でも同じことですが、まずはムシ歯にならないことが一番です。
 常に口の中を清潔に保つためにも、甘い物を控え、食べたらブラッシング(歯を磨く)する習慣を身につけることが重要です。
 そして1日1回は、親御さんが必ず仕上げみがきをしてあげて下さい。
 それと、「乳歯は生え変わるから少々のムシ歯は大丈夫!」とは思わないで下さい。
 後に生えてくる永久歯に、いろいろな影響を及ぼすからです。
 永久歯の歯質が弱くなったり、永久歯の歯並びが悪くなることもあります。
 乳歯のムシ歯を放っておいて、永久歯との生え換わりの時期でもないのに、 早期に乳歯を抜歯しなければならない場合に、後から生えてくる永久歯の位置がずれて、結果的に歯並びが悪くなってしまうこともあります。
 こういった悪い結果にならないように、親御さんが子供の口の中を常に注意深く観察し、半年に一回程度は、定期的にかかりつけの歯科医院で健診されることをお勧めします。