歯ぎしりはどうしておこるの? どんな害があるの?

平成25年5月6日(月) 東愛知新聞掲載

歯ぎしり」の起こる理由は、子どもと大人では異なります。
 子どもが「歯ぎしり」をするのは、歯や顎(あご)が成長している証拠だと思ってください。
 子どもの歯は乳歯から、やがて永久歯へと生え替わります。
 この生え替わりの過程の中で、「歯ぎしり」をする子どもがいるようです。
 これは、これから生えてくる歯が、成長していく中で「むずがゆさ」という理由からだと言われています。
 子どもの「歯ぎしり」は、特に止めさせる必要もなく、時期がくれば自然となくなるからです。
 一方で大人の場合は、体がストレスを感じるとそれを発散するために、体が「歯ぎしり」をすると考えられています。
 意外と知られてないことですが、「歯ぎしり」は睡眠中だけでなく、起きている間もしているものなのです。
 ストレスを感じたとき、歯を食いしばっていませんか?
 それも「歯ぎしり」の一つです。
 「歯ぎしり」は決して特異なことではありません。
 誰でもしている一種の癖(くせ)と考えていいと思います。
 特に問題を起こさない限り放置しても構わないのですが、次のような問題を引き起こすことがありますので注意して下さい。 
 ①歯への障害で、歯の摩耗(歯が減ってしまうこと)、歯の破折、歯がしみる,噛むと痛いなど、②歯周組織への障害で、歯肉炎や歯周病、③顎関節(がくかんせつ)への障害で、顎関節(がくかんせつ)痛や開口障害、④全身への障害で、顔面痛、頭痛、肩こり、倦怠感などがあります。
 これらの症状のすべてが、「歯ぎしり」からくるわけではありませんが、無用な悪い癖(くせ)は、なくしておく方がよいと思います。
 この癖(くせ)は眠っている時とか、何かに夢中になっている時などに起こるので気づきにくく、治すのも同じ理由で治りにくいものです。
 「歯ぎしり」の原因と言われるストレスは、色々な病気の元となるものです。
 ストレスを溜めなければ、「歯ぎしり」が解消できるだけでなく、他の部分の 体の不調も改善でき、精神ともに健康になれることと思います。
 もし、どうしてもストレスが溜まってしまうというのであれば、溜まったストレスを上手に解消する方法を見つけだすことが大切です。
 きっと自分に合ったやり方があるはずです。
 それでもあまり効果がなければ、歯科を受診して下さい。
 歯科で最もよく行なわれている「歯ぎしり」の治療法は、「マウスピース」を装着して対応する方法です。
 「マウスピース」は、歯を守るというだけでなく、装着することによって安心が得られ、少しでもストレスを軽減させてくれる治療法です。