口臭について

平成25年7月1日(月) 東愛知新聞掲載

口臭には、①生理的口臭と②病的口臭の2種類があります。
 生理的口臭は、自然なお口の臭いや食べ物やタバコ、アルコールなどによって生じる臭いのことです。
 食べ物の中でも、口臭の原因となりやすいのはニンニクとネギ、ニラ、ラッキョウなどで、とくにニンニクは腸から吸収された成分が血液中に入り、体中を回って肺から息として吐き出されるため、いつまでも臭いが残ります。
 またアルコールも、本人には判りにくいのですが、強い臭いが漂います。
  自分の口臭を感じた時、ニンニクの入った料理やアルコールの影響が残ってないかどうか、まず考えてみましょう。
 ニンニクやアルコールの臭いの解消には、牛乳が効果的なので試してみてください。
 梅干しやレモンにも、食べ物の臭いを薄める効果があります。
 もちろん歯磨きが一番効果的です。  
 次に、病的口臭について説明します。
 病的口臭には、次のようなものがあります。
 ①歯科領域の病気:ムシ歯、歯周病、口内炎など
 ②耳鼻科や内科領域の病気:蓄膿症、扁桃炎、アデノイドなど
 ③胃腸科や内科領域の病気:胃炎、胃拡張など
 ④呼吸器の病気:慢性気管支炎
 ⑤その他の病気:糖尿病、肝臓病、腎不全、癌など  
 こうした病気の中でも、もっとも口臭の原因となりやすいのは、ムシ歯と歯周病です.
 実は、慢性的な口臭の原因のおよそ9割はムシ歯と歯周病といわれています。
 つまり、口臭を気にするなら、ムシ歯と歯周病を防ぐためのオーラルケアこ そが最も重要なのです。  
≪ムシ歯がある場合≫  
 ムシ歯は、ムシ歯菌によって歯に穴があいた状態のことです。
 そこに食べ物のカスがつまると、細菌が繁殖してプラーク(歯垢)となって臭いを発し、それが口臭になるのです。
 ムシ歯を放置すると、自然に進行していきますので、歯髄(神経)組織がダメージを受け、その腐敗臭まで発するようになります。
 こうなると、かなりの悪臭がすることがあります。  
≪歯周病がある場合≫  
 歯周病の人は、口臭があります。
 歯周ポケットにプラークが貯まると、歯周病菌などの細菌によって歯肉が炎症を起こします。
 これが、歯周炎(歯周病)です。
 すると細菌の繁殖でガスが発生し、これが口臭の原因となります。  
 この状態を放置しておくと悪化して、出血し、膿がたまって悪臭を放つことになりかねません。
 ムシ歯も歯周病もある人では、さらに口臭が強く感じられます。
 口臭は、相手に不快な思いをさせるばかりか、重篤な病気が隠れていることもありますので、早めにお近くの歯科医院を受診されることをお勧めします。