歯ぎしりと歯周病の関連性について

平成26年2月24日(月) 東愛知新聞掲載

歯周病とは歯周組織が歯垢に含まれている細菌に感染してしまい、出血を起こしたり、歯肉が腫れてしまう症状のことを指します。
この歯周病を放置していると、最終的には歯が抜けてしまう場合もあるのです。 歯周病の初期の状態であると全く自覚症状がなく、気が付かない間に症状が進行してしまうので、十分に気を付ける必要があるでしょう。
この歯周病と歯ぎしりは大きく関係しています。 歯ぎしりをすることで歯周病の直接的な原因となっているわけではありませんが、歯肉や歯周組織に大きな負担がかかるので、歯周病の症状が悪化したり、 促進されたりしてしまうのです。つまり、ダメージが積み重なることによって、 歯肉自体が衰えるだけでなく、歯周病の進行度を加速させてしまうのです。日本人の約80%の成人が歯周病を引き起こしていると言われています。つまり、多くの方が歯周病にかかっているので、ただの歯ぎしりだと思って放置していると悪化してしまうため、十分に気を付けなくてはありません。歯周病にかかっていないという方でも、歯ぎしりをすることによって、歯自体へのダメージが積み重なり、歯の表面が削れてしまったり、凹凸ができたりしてしまうので、歯垢が歯に付きやすくなります。つまり、しっかりと歯磨きをしているつもりであっても、磨き残しが出てくるわけです。これは、虫歯や歯周病の原因であると言っても良いでしょう。このように、歯ぎしりと歯周病には大きな関連性があります。歯周病を抱えている方だけでなく、歯ぎしりをすることで今まで正常だった方も歯周病が引き起こされてしまうのです。 ではどのようにして歯ぎしりを予防、治療するのでしょうか?
まず歯ぎしりはストレスを感じているときや疲れが溜まっているときにする事が多いので、難しいかもしれませんがストレスを解消し、疲れている時はしっかり休む事が非常に大切となってきます。
それでも歯ぎしりが解消されないときは、『マウスピース』などの器具を使用して物理的に歯ぎしりをしないような治療が行われます。いずれにしても歯ぎしりさえなくなれば、歯周病の進行を抑え、歯を失うリスクが下がりますので、歯ぎしりを指摘された方、または自覚している方は早めに歯科医院で治療を行っていきましょう。