歯を失った後の治療法について

平成26年4月7日(月) 東愛知新聞掲載

歯を無くしてしまわれた方には、次のような方法で入れ直すことができます。
1)ブリッジ  
抜けた歯の両脇に歯が残っている場合、それらを支えにして両側から被せもので橋渡して噛めるようにする方法です。  
利点として接着剤で歯に固定してしまうので、食事中とれたり動いたりしません。
また被せものの種類をいろいろ選択できます。(白い歯・保険のもの等) 比較的短期間で治すことが可能です。
欠点として虫歯の有無に係わらず、支えになる歯を削る必要が有ります。 抜けた歯の本数や抜け方によっては、つなげて出来ないことも有ります。
2) 入れ歯(デンチャー)
 通常、取り外し式の義歯のことです。この義歯は、部分義歯と呼ばれ人工歯と床の部分クラスプ金具の部分からできています。(ただし総義歯にはこの金具が有りません。)
利点として抜けた歯の本数や抜け方に係わらず治療が可能です。入れ歯作製までの治療回数は、比較的少なくて済みます。ただし顎の骨がやせている方は、入れ歯ができてから調整に時間がかかることがあります。欠点として接着剤で固定しないので、食事中にガタつくことが有ります。床と呼ばれるところが歯ぐきを広く覆うので、舌感が悪く話をしにくい、食べ物の味がわかりにくい方もいます。少し慣れるのに時間が掛かることがあります。
3)インプラント(人工歯根)
歯が抜けた後の骨に、チタンなどでできたネジのようなものを植込んで噛めるようにする治療法です。
利点として治療の範囲は、歯が抜けたところだけで済ませることができ、両側の歯を削ったりしません。固定することにより安定して使うことができます。欠点として年齢や身体の状態により、この治療を受けられない場合が有ります。
手術時間が他の治療法と比べてかかり、埋めこみを終えてから被せものを被せて噛めるように成るまで少し期間が必要です。
4)歯の移植
歯が抜けたところに、親知らずなどの噛むのに使っていない自分の歯を移植して噛めるようにする方法です。
利点として拒絶反応も無くインプラントに比べ治療費が廉価です。
欠点として移植した歯を暫く固定しておく必要が有ります。移植に適した歯が無いと施術できないです。骨や身体の状態が悪いと施術出来ません。噛めるように成るまで少し長い期間が必要です。
以上欠損歯を補うためには、どの方法もどこかに負担をかけて補綴しなければなりません。
各人の全身状態、口腔内の状況、ライフスタイルにより選択することになります。