口の中の細菌について

平成26年4月21日(月) 東愛知新聞掲載

口の中には、300~700種類の細菌がいると言われています。
何故こんなにたくさんの細菌が住んでいるのでしょう。
それは、細菌にとって、口の中は住みやすい環境だからです。
適度に暖かく、水分があって、エサが豊富。細菌にとってこれ以上住みやすい所はないでしょうね。
細菌は、食べかすや歯肉、頬の粘膜の剝がれた古い細胞などを食べています。
歯の表面、歯周ポケットの中、舌の表面などに細菌は潜んでいるのです。 私たちが食事をとった後、歯を磨かないと細菌は、爆発的に増えます。 細菌はプラーク(歯垢)と言う塊で生息しています。
細菌の塊であるプラーク1mgの中には1億の細菌がいると言われています。  
 生まれたばかりの赤ちゃんの口の中には、細菌はいません。
母親や、家族などから感染して口の中に細菌は増えていくのです。
この時、むし歯菌も感染してしまうのです。
むし歯が、感染症と言われるのは、こんな理由からなんです。
 では、口の中の細菌にはどんな種類のものがいるのでしょう。
もちろん無害なものもいます。有害なものもいます。
有害なものは、むし歯、歯周病、誤嚥性肺炎、敗血症、細菌性心膜炎、心筋炎、動脈硬化、糖尿病、骨粗しょう症などと関係があると言われています。
特にお年寄りにとって、誤嚥性肺炎は怖い存在です。
人間には,ものを飲み込むとき,気管の入り口にある喉頭蓋というフタが閉じて,気管に入り込まないようにする嚥下反射という能力が備わっています。
しかし,加齢などによってこの反射が低下すると,誤嚥といって,誤って気管の中にものが入り込むようになる。
こうして細菌が気管を通じて肺に達し,肺炎を起こすことがあり,誤嚥性肺炎と呼ばれています。  
 口の中の細菌を、全て死滅させる事は不可能です。
でも、有害細菌の脅威を少しでも減らす事はできます。
それは、プラークコントロールです。
口腔清掃、口腔ケアを行う事により、リスクを下げる事ができるのです。