フッ素塗布について

平成26年6月16日(月) 東愛知新聞掲載

フッ素がむし歯予防に効果的だ、ということを耳にしたことのある方は多いことと思いますが、そのフッ素のむし歯を予防する効果には大きく分けると二つあります。一つは歯の質を強くする働き。もう一つはむし歯菌の活動を抑える働きです。そしてその効果は生え始めの歯ほど強く働きます。これは生え始めの歯はまだ柔らかく、フッ素を取り込む力が強いためです。こういったフッ素の特性が、お子さんのむし歯予防にフッ素塗布が用いられる主な理由です。
 フッ素を用いたむし歯予防は歯科医院で塗布してもらう方法の他に、歯磨き粉にも含まれている物も販売されていたり、保育園・幼稚園や小学校によってはフッ素で口をゆすぐフッ素洗口を取り入れているところもあります。それぞれフッ素の濃度が異なりますので、組み合わせて行うことでよりむし歯予防の効果が高まります。フッ素の中毒を心配される方がおられるかも知れませんが、それぞれ低濃度ですのでフッ素洗口とフッ素塗布を併用してからといって過剰摂取となることはありませんし、誤って飲み込んでしまっても問題ない量を1回量としておりますのでその点はご安心ください。
 フッ素塗布を行うにあたり、効果の持続が期待できる再塗布までの間隔としては、通常は半年に一度といわれております。ただしむし歯のなりやすさには個人差もありますので、そういったお子さんには3,4か月に一度の間隔で繰り返し塗布することで予防の効果がいっそう期待できます。
 ただし、フッ素塗布をしているからといって全くむし歯にならない訳ではありません。日々のブラッシングを適宜、適切に行うことはもちろん、おやつや飲料を適切に摂取することも大切です。そうしたことにご家庭では気を配り、そして3,4か月から半年に一度定期健診を兼ねて歯科を受診し、そこでフッ素塗布を受ける。そういった歯科との関わりがむし歯を予防する上では理想的ではないでしょうか。