未来の歯科衛生士のために 座談会その3

平成26年7月21日(月) 東愛知新聞掲載

<主旨>  
 お口の健康は健康長寿と密接な関係があり、歯の治療が認知症や寝たきりの予防・改善にもつながることが明らかになりつつあります。今後も加速する超高齢化社会においてお口の健康のスペシャリストとしての歯科衛生士の役割はますます重要になるばかりですが、まだ広く一般に認知されている職業とは言い難いのが実情です。  
 先々週より3週にわたって、歯科医療の現場に身を置く4名の女性による、歯科衛生士をテーマにした座談会の様子を掲載しており今週はいよいよ最終回です。読者の皆様に口腔保健における歯科衛生士の重要な役割をご理解いただき、若い世代がこの職業に興味を持つきっかけになればと思います。出席者は先週に引き続き以下の通りです。
 (豊橋歯科衛生士専門学校 校務部)
 歯科衛生士Yさん(卒後2年、22歳、豊橋市内の歯科医院勤務、以下常勤Yと略)
 歯科衛生士Sさん(卒後9年、29歳主婦、豊橋市の歯科医院でパート勤務、以下パートSと略)
 豊橋歯科衛生士専門学校3年生Mさん(学生、20歳、現在臨床実習中、以下学生Mと略)
 歯科医院受付事務員Kさん(26歳、豊橋市内の歯科医院勤務、以下受付Kと略)
司会(豊橋歯科衛生士専門学校 校務部員)

魅力は「やりがい」と「ライフステージに合わせた勤務形態」
 (司会)(先週に引き続き)それでは歯科衛生士という職業について、皆様の思いやこれからの展望などをお伺いしたいと思います。
 (パートS)現在私は午前中だけの勤務なので、家庭と仕事の両立が可能です。ライフスタイルやライフステージに合わせた勤務ができるのも歯科衛生士の魅力で、女性に最適な職種だと思います。まだ正しい歯ブラシの使い方を知っている人は少数派ですし、歯間ブラシやデンタルフロスなどの器具ももっと普及してほしいと思います。これからの歯科衛生士の課題だと思います。
 (受付K)結婚や出産で一度仕事を離れた歯科衛生士が復職する場合に、国家資格なのでキャリアの蓄積ができゼロからの再スタートでないのがいいと思います。残念ながら患者さんにとって、歯科衛生士の認知度はまだまだというのが実感です。
 (常勤Y)患者さんに笑顔で「ありがとう」と言われる時が一番うれしくやりがいを感じますし、達成感もあります。自分が患者になった時のことを常に考え、患者さんには明るく接するよう心がけています。歯科衛生士は日々勉強が必要だと痛感していますので時々はスキルアップのための講習会にも参加したいと思っています。
 (学生M)これから国家試験に合格したら患者さんの気持ちに寄り添うことができる歯科衛生士になりたいと思います。将来的には歯科衛生士として自立し、一人暮らしもしてみたいです。
 (司会)皆さんの思いがよくわかりました。介護や福祉の分野にも歯科衛生士の活躍の場が広まっていますし、歯科衛生士は慢性的な人手不足なので、この座談会の記事で歯科衛生士に興味を持つ人が増えればうれしいですね。興味を持った方にはぜひオープンキャンパス(7月31日、8月21日、10月12日、11月9日開催)にも参加してほしいと思います。歯科医師会としては一度歯科医療の現場を離れた歯科衛生士の復職も支援、推進してゆきたいですね。(8月24日(日)にホームカミングディ開催、詳しくはHPを御覧下さい。)本日はありがとうございました。