歯列矯正はいつから始めたらいいのですか?

平成26年9月22日(月) 東愛知新聞掲載

最近、歯並びに問題があるお子様が増えていると言われています。矯正治療をいつから始めたらいいのか分からないので、心配されて相談に来られる親が多くいます。ある歯科医院で相談したらすぐに始めた方がいいと言われたが、別のところではまだ早いと言われたりすることもあるようです。 そこで歯列矯正の相談と始めるタイミングについてまとめました。 まず、歯列矯正を始めるにあたってタイミングは2つあります。1つはまだ子どもの歯並びの時期から上下の前歯のはえてきた時期です。この時期は1期治療と言われ、受け口(反対咬合)や出っ歯(上顎前突)など、骨格が原因となる症状の改善を図ったり、また隙間のない顎(叢生)を改善したりという治療が主になります。この時期の治療の特徴はすべての歯並びをきれいにすることが目的ではなく、大人の歯並びがきれいになるための準備段階の治療と考えてもらって良いかと思います。
それに対して全てが大人の歯並びになった後の時期の矯正治療を2期治療と言います。この段階では多くの治療が歯並びをきれいに整えるため、ワイヤーによる矯正治療となります。ですので、歯並びの治療としては最終仕上げの治療と考えてもらって良いかと思います。
この治療時期と内容を判断することが、親だけの判断では難しいと思います。そこでアドバイスできるのは、なにかお口の歯並びで気になるところ、問題になるところがわかった時点でかかりつけの歯医者さんに相談するということです。かかりつけの歯医者さんで歯列矯正をしている医院もあれば、歯列矯正専門の歯科医院を紹介する医院もあります。ただ、問題が出たときにそれを先延ばしにするのではなく、的確に判断し、すぐに治療が必要なのか、それとも待ってもらってもよいのかをみてもらうのが大事だと思っています。
実際に治療される場合は、先生とよくご相談のうえで、成長後の好ましい永久歯の歯並びやかみ合わせを目標にして、将来的な成長の予測のもとに、現時点で必要なこと、可能なこと、その内容と期間、費用、治療そのもののリスク等を充分に検討されたうえで、「いつ始めるのがいいのか」を相談して決めていかれるのがよいかと考えます。