マウスピースって何?

平成27年3月9日(月) 東愛知新聞掲載

歯科で予防や治療のために用いられるマウスピースには、次のようなものがあります。
① 歯ぎしり食いしばりから歯守るために使用するマウスピース。マウスピースは歯ぎしりから歯や歯ぐきに伝わる力を和らげ、直接歯に強い力が加わらないようにします。成人の噛む力は60kgにおよびそれが毎日数時間、歯や歯ぐきに加わることによって歯が削れたり、ゆれたりします。場合によっては歯が割れることもあります。この力をマウスピースを使うことによって分散し、歯や歯ぐきを守ってくれます。かぶせものがこわれるのも予防できます。
② 顎の関節まわりの筋肉や関節そのものの病気である顎関節症に用いるもの。顎の関節には関節円板という軟骨があり、この関節円板がスムーズに動くことで顎の関節が動きます。顎関節症は関節円板に穴が開いたり、変形したり、位置がずれたりして、痛みや音が鳴るようになる疾患です。マウスピースをお口の中に入れて噛むと歯と歯の間にマウスピース分のあごの関節にすき間が出来ます。このすき間は関節円板にかかる負担を減らすことが出来ます。
③ ラグビーなどコンタクトスポーツにおける衝突等、外傷から歯を守るもの。口腔内に装着し、歯や顎の骨の損傷を予防したり、脳震盪の予防に効果があります。
④ 眠っているときに呼吸が止まる睡眠時無呼吸症候群の呼吸改善のために用いるもの。 作成には医科での診断が必要になります。
⑤ 取り外し可能なマウスピースによって歯並びを治す矯正治療もあります。 材質は硬いプラスチック、柔らかいシリコンゴムのようなものがほとんどです。用途によって材質、厚さなどは変わってきます。 以上のようにマウスピースといっても様々な用途があります。すべて個々の患者様の状況に合わせてつくるものなので診断が必要になります。まずはかかりつけ医に相談していただき、必要な検査を行い診断した後、型や噛み合わせをとり製作します。作成、装着後も調整や経過観察が必要となります。
 費用に関しては保険適用となるものとならないものがありますのでかかりつけの歯科医院でよく相談されることをおすすめします。