先日、口が開かなくなり、今もあごの関節あたりがガクガク言います。これって何?

平成27年5月4日(月) 東愛知新聞掲載

おそらく顎関節症(がくかんせつしょう)と思われます。①口が開く時、閉じるときに音がする②あごの関節の周りや咬む時に使う筋肉に痛みが出る③口が開きにくくなる④音がこもった様に聞こえる、などさまざまな原因でこのような状態になるのを総じて顎関節症といいます。  
 顎関節は左右の外耳孔(耳の穴)の約1㎝前に位置していてお口の開け閉めの時に両側が同調して動いています。この動きに異常があると音がしたり痛みを感じたり口が開きにくくなったりします。顎関節になんらかの症状がが出ている人の割合は実に日本人の  約70~80%と言われておりかなり身近な症状であると言えるでしょう。また顎関節は外耳孔に近いため顎関節症を耳鼻咽喉科の病気と勘違いされる患者様もおられ耳鼻咽喉科から受診を勧められる事もよくあります。  
 顎関節症の原因としては ①かみ合わせ、歯並びがよくない、左右どちらか片側だけで咬む癖がある ②仕事中や寝ているときに歯ぎしりや歯をかみしめる癖がある ③以前ムチ打ちなどの外傷を受けた ④普段頬杖やうつぶせ寝をしていて下顎を後方に押している ⑤普段の生活での姿勢がよくない ⑥職場や家庭でのストレスを感じやすい その他様々な要因が重なって,強い力が顎関節にかかる場合に起こると言われています。  
 顎関節症はかなり一般的な病気といわれており、軽い症状であれば特別な治療をしなくて自然に治まることも多いです。ですから、ご質問の症状であれば様子をみていただいてよいかと思われます。  
 ただし痛みや、口が開けにくい、物が食べにくいなどの症状によって日常生活に支障が出てくるようであれば、お近くの歯医者さんや口腔外科を標榜されている医院さんを一度受診されて、レントゲン写真やかみ合わせ、など詳しく検査してもらう事をお勧めします。