歯グキからウミが出てきたら・・・

平成28年2月22日(月) 掲載

歯グミの痛み、特に腫れをともなっている場合、2つの原因が考えられます。
 1つは、歯周病(歯肉炎と歯周炎[歯槽膿漏])が原因で口の中の細菌感染によ る突発性の発作をおこした場合の歯周膿瘍と、もう1つは、ムシ歯が進行して、歯の中の神経(歯髄)が死んでしまって、根の先に病気が進み急性の発作を起こした状態の根尖膿瘍です。
 どちらの場合でも、歯の根の先端付近にウミが貯まり、ウミの逃げ道がない 場合には歯グキが腫れ、何もしなくても強い痛みが発生します。
 専門的な検査と診査をしない限り、この2つの原因は区別することはできま せんが、この原因が単独に、あるいは2つ組み合わされて症状を起こします。
 腫れがひどい場合には、その部分をメスを用いて切開してウミを出し、切開したところや歯周ポケット(歯と歯グキの隙間[すきま])または歯の根の管(くだ)の穴を通して薬で細菌を洗い流します。
 治療後は、化膿止めや痛み止めの薬が処方され、痛みが治まってから通常の歯周病や歯の根の治療がおこなわれます。
 この他に、歯の根(歯根)の破折により、歯周膿瘍や根尖膿瘍と同様に腫れてくる場合があります。この場合、治療方法は、通常抜歯することになります。
 歯グキにウミが貯まると痛みを伴いますが、圧力をかけるとウミが飛び出して症状が治まることがあります。
 しかし、ウミが出て歯グキの腫れが引いても、これは一時的に症状が緩和されただけで、原因をしっかりと治療しない限り、再発を繰り返すことになります。
 ウミが貯まると口の中だけではなく、顔がはれてしまうなどの見た目にもはっきり判るような症状を引き起こし、さらに口臭もひどくなります。
 歯グキからウミが出る身近な疾病に歯周病(歯肉炎と歯周炎[歯槽膿漏])があります。
 歯みがきをした時や糸ようじや歯間ブラシを通した時などに、歯グキから出血する場合には、磨き方に問題がある可能性もありますが、多くの場合は歯グキに炎症が生じています。
 出血するから歯を磨くのが「こわい」と思われるかもしれませんが、逆に歯磨きをやめてしまうといつまでたっても炎症が治まらず、返って炎症を進行させてしまう恐れがありますので、多少の出血は気にせず歯磨き等を続けることが大切です。
 しかし、炎症の程度が酷い場合や、出血の原因が他にある場合は、歯磨きだけで改善させることは不可能です。必ず歯科医院へ行って必要な検査や治療を受けて下さい。
 また、歯磨きも「している」のと「できている」のでは、歯や歯グキに対する効果が違ってきます。
 確実に磨けているかどうかは、歯科医院で歯科医や歯科衛生士にご相談下さい。