衝撃などで抜けてしまった歯、どうすればいいの?

平成28年2月29日(月) 掲載

足元のしっかりしていない幼児では、道路でつまずいたり、滑り台・階段などからの転倒で、年齢が進むにつれて、自転車で転んだり、鉄棒などで遊んでいる時に起きる事故やスポーツなどでの転倒、さらには交通事故などで、歯が折れたり、歯グキから歯が抜け落ちたりする(歯の脱臼)ことがよく起こります。
 歯の脱臼は、衝撃などの外力によって、歯と骨(歯槽骨)を結び付けている歯根膜というが線維が全て断裂する完全断裂と一部だけ断裂する部分断裂することを総称して「歯の脱臼(だっきゅう)」と言っています。
 脱臼には歯が骨から完全に離れて、歯が抜け落ちてしまう「脱落」のような完全脱臼や、一部の歯根膜が断裂しただけで骨(歯槽骨)の中に歯が留まっている不完全脱臼など、さまざまな「歯の脱臼」の状況があります。
 万が一、このような「歯の脱臼」になるような事態が起こったら、どう対処したらよいのでしょうか?  
 まずは、急いで歯科医院に受診して下さい。
 歯が脱臼した時の状況や歯の周囲の状態や症状を確認します。  X線(レントゲン)で、歯のひび割れや歯の破折、歯槽骨に骨折がないかどうかを確認します。
 歯を元の位置に戻し(再植)て、両隣の歯と接着剤あるいはワイヤー(細い針金)を用いて、患歯が動かないようにくっつけます(固定)。
 歯が歯グキから完全に抜け落ちて脱落してしまった場合でも、歯の根の部分(歯根)が乾燥していたり、酷く汚れていなければ、元にあった位置に歯を戻して、歯を植え込んで再植させれば、元通りの状態に戻る確率は高いとされています。
 また、永久歯が生え始めて間もない頃で、歯の根(歯根)も完全に完成しきれていない歯であっても、再植後に歯の中の神経が生き返る(再生)こともあります。
 その後は、暫く経過を観察します。
 状態が元通りに戻らない場合は、歯の神経の治療をします(神経が死んだまま放置すると歯根内部より感染し歯根内部より吸収をおこします)。
 脱落後、10分以内に処置を行った場合は、歯と骨(歯槽骨)を結んでいる歯根膜が生着し、元通りの状態で機能する確率が高いと言われています。
 しかし、抜けた落ちた歯を再植するまでに、乾燥状態で一時間以上放置してしまうと、歯根に付着して残っている歯根膜が死んでしまい、このような歯を再植しても、歯根膜が介在しない状態で歯と歯槽骨が直接くっついて、歯根は根の先より次第に溶け始めて、数年で歯の頭だけとなり、抜け落ちることが多いと言われています。
 今まで述べたように、再植が成功するか否かは、抜け落ちた歯の根の周りに残っている歯根膜が重要となります。
 もし、こういう場面に遭遇した場合は、落ち着いて行動して下さい。
 口の外に落ちてしまった歯をすぐに拾い、軽く洗って下さい。水道水は塩素等の消毒薬が入っていますので、長時間洗うことで歯根膜が死んでしまいますので、30秒以内で十分です。
 ごしごし洗ったり、水洗後水分を拭き取ると歯根膜が除去されてしまいますので絶対にしないで下さい。乾燥させないことが何よりも大切です。
 最もよい方法は、すぐに元の位置に戻してみることです。
 もし、戻せない場合は、飲み込まないように唇と歯グキの間の口の中に入れるか、牛乳の中に浸したまま、出来るだけ早く歯科医院を受診して下さい。  
 早ければ早いほど、元通りの状態に戻ります。