スポーツドリンクへの警告

平成28年6月27日(月) 掲載

その昔、スポーツ選手にとって、競技(試合)中や練習中に水を飲む(水分補給)ことはご法度とされていました。
 野球やバレーボールなどの、「スポ根物のドラマや漫画」の流行も相まって、「根性」や「気合い」といったものが先行し、体をいたわるといった風潮は二の次でした。
 しかし、スポーツ選手がかく大量の汗によって、「脱水症状」や「熱中症」が引き起こされ、体調を崩したり、死亡者も出たことにより、スポーツ医(科)学の分野の研究が進められ、身体の働きやコンディショニングといった分野が大きく変わってきました。  
 その中の1つに、発汗による水分補給の重要性が唱われました。
 今では、スポーツ選手が競技(試合)中や練習中に、スポーツドリンクを飲んで水分補給する光景がよく見かけます。
 夏の高校野球のように、炎天下で試合に全力投球する選手たちには、確実に水分補給が必要になってきます。
 スポーツ選手が摂取するスポーツドリンクには、「スポーツ飲料」、「イオン飲料」などがあり、運動をした後や風邪で寝込んだ時などに発生する大量の汗などによって失われた水分やミネラル(ナトリウム・カリウム・カルシウム・マグネシウムなど)を補給する目的があります。
 最近、コンビニエンスストアなどで売られているペットボトル入りのスポーツドリンクには、成分が異なった様々な種類のものが販売され、中でも糖分で美味しく味付けされているものもあります。
 スポーツドリンクだからと言って、安心して愛飲したり、常用したりすると、普通にコーラなどの炭酸飲料水を飲むのと同じことになり、体や歯に悪影響を及ぼすことがあるので注意が必要です。
 今年の夏のような記録的な猛暑の時には、熱中症対策として水分補給の必要性を唱っていましたが、特にいま、運動もせずに、汗もかかない状況で、お茶やミネラルウォーターを飲むような感覚で、スポーツドリンクを常用している若者が増えているようです。
 日常生活において、スポーツドリンクの常飲もしくは必要以上に摂取した場合、糖尿病を発症する危険性が高くなったり(ペットボトル症候群)、また糖分で美味しく味付けされたスポーツドリンクでは、ムシ歯や肥満を助長することが報告されています。
 スポーツドリンクの摂取は、今年のような猛暑が続いた時などの熱中症対策や風邪による発熱後の脱水症状の緩和、運動時の水分補給などには効果的ですが、日頃の生活の中においては、常飲は避けるべきです。  また、スポーツドリンクを飲んだ後、特に運動後には、ムシ歯予防のために必ず歯磨き(ブラッシング)をおこなって、口の中の清掃することをお勧めします。