口臭についてもう少しくわしく知ってみませんか?

平成28年8月22日(月) 掲載

皆さんは口臭を気にされたことはありますか?
 口臭の全くない方はいません。
 しかし、口臭が強いと周りの人に不快感を与えたり、対人関係に悪影響を与えたりすることもあります。
 口臭の原因には様々なものがありますが、その殆んど(約90%以上)はお口の中の細菌が産生する「揮発性ガス」によるものと言われています。
 この「揮発性ガス」の発生には、「唾液の量」と「お口のなかの状態」が深く関わっています。
 他にも口臭の原因となるものはたくさんあります。
 これらについてもう少し詳しくお話します。
1.唾液の量
 唾液には口の中を洗浄・殺菌する作用があり、「揮発性ガス」を発生する細菌の増殖を抑制して、口臭を予防する効果があります。
 また、口の中が唾液で潤っていると、「揮発性ガス」の放散を予防する効果もあります。口で呼吸の癖のある方は「揮発性ガス」が放散しやすいため口臭が発生しやすくなります。
2、お口のなかの状態
 歯並びが悪かったり、ムシ歯、歯周病、不適合な詰め物やかぶせものなどがあると歯垢(プラーク)がたまりやすく、また歯ブラシで除去しにくいので、細菌が増殖しやすく、口臭の原因となります。
 このような場合には、ムシ歯や歯周病などの治療をしないと口臭は改善されません。ムシ歯は自分で気付く場合もありますが、歯周病や詰め物は自分ではよくわかりません。しっかりと歯磨きをしても口臭が改善しない場合には、歯科医院で確認することをお勧めします。
 3、 「自臭症」
 口臭があると思っている人の約3割は「自臭症」だと言われています。 「自臭症」とは、実際には口臭が殆んどないのに、あると思い込んでしまっていることを言います。
 これは口臭に対して神経質になりすぎたり、他人から口が臭いと指摘されたことを気にしすぎるために起こってきます。どうしても気になる場合は歯科医院で相談してみてください。  
4、 その他には・・・、
 普段は口臭が気にならない人でも、朝起きた直後、疲れている時、緊張している時などは、唾液の分泌が減少し一時的に口臭が強くなることがあります。
 また臭いの強い食品やアルコール、コーヒー、タバコなども口臭の原因となります。
 他にも、全身的な疾患、例えば糖尿病や鼻疾患、肝疾患、腎疾患、胃腸の病気などは口臭の原因となる場合があります。
 お口の中に原因がないのに口臭が改善しないときには、このような全身的な疾患を疑う必要があるかも知れません。
 口臭予防で最も大切なことは、何と言ってもプラークコントロールです。
 歯や歯グキへのブラッシングが重要なのですが、意外な落とし穴が、舌(シタ)の上の汚れであ る「舌苔」も口臭の原因の1つです。歯ブラシで軽く2~3回、舌の上も磨いて下さい。
 また、最近はいろいろな口臭対策グッズも売られています。こういったものを併用しながら楽しく口臭ケアをすることをお勧めします。
 自分の口臭について客観的に知りたい方は、呼気中の「揮発性ガス」の濃度で口臭を具体的な数値として表示できる口臭測定器で測定してみるという方法もあります。
 全てがわかるわけではありませんが、ひとつの参考にはなると思います。  
 歯科医師会が開催する「歯の衛生週間」のイベント行事のときなどに「口臭測定コーナー」が設置されていることがありますので、ぜひご利用ください。