覚過敏(ちかくかびん)

平成29年1月9日(月) 掲載

ムシ歯でもないのに、冷たいアイスやかき氷などを食べると「ピリピリ」と凍みたり、歯ブラシの毛先が歯にふれるだけで痛みを感じたりすることはありませんか?
 こうした一時的な刺激によって、歯がいたくなることを「知覚過敏」と呼んでいます。
 「知覚過敏」という言葉については、すでにテレビのコマーシャルなどでご存じかと思いますが、実は日本人の4人に1人は「知覚過敏」を経験しているのです。
 正式には「象牙質知覚過敏」と呼ばれます。
 歯の構造は、表面は硬いエナメル質に覆われていて、その下にやわらかな象牙質があり、さらにその下には、歯の神経(歯髄)があります。
 象牙質は象牙細管(ぞうげさいかん)という細い管があり、歯の神経(歯髄)とつながっていて、歯に受ける刺激を伝達する役割があります。
 「知覚過敏」は、外からの刺激が象牙細管から神経(歯髄)に伝わることで発生します。
 「知覚過敏」の原因については、一般的にあまり知られてませんが、実は身近な生活の中にその原因が潜んでいます。
 例えば、ストレスの多い現代社会の生活の中で、気がつくと歯を強く噛みしめていることはありませんか?
 噛みしめや歯ぎしリなど、歯の一部に負荷がかかる状態が続くと、歯の表面を覆っているエナメル質に小さなヒビ割れを起こすことがあり、それが原因で「知覚過敏」を起こすことがあります。
 また、1日に数回行う歯磨きにおいても、間違ったブラッシング(力を入れてゴシゴシ磨いたり、大きく歯ブラシを動かしたり)で、歯の表面を覆っているエナメル質がはがれて、象牙質が露出することにより、刺激が象牙細管から歯の神経に伝達され「知覚過敏」を起こすことになります。
 「知覚過敏」の予防としては、軽度の場合、毎日の歯磨きを改善させることで防止することができます。
 歯磨きをする際に、力を入れたり、ゴシゴシと強く磨きすぎると、前述のように、歯の表面のエナメル質が擦り減ったり、はがれたりして、象牙質を露出すると、象牙細管から歯の神経(歯髄)に刺激が伝達されてしまいます。
 あまり力を込めずに軽いタッチで磨くことや、毛先の柔らかい歯ブラシを使うことをお薦めします。
 また、「知覚過敏」を防止するために作られた歯磨剤(歯磨き粉)を使用するという方法もあります。
 この手の歯磨剤(歯磨き粉)には、象牙細管の穴を塞いでくれる成分が配合されているため、短期間で症状を改善させる効果があります。
 他には、歯が溶けるような酸味飲料や酸食品を過剰に摂らないことです。  
 「知覚過敏」の症状が、あまり改善されない場合は、お近くの歯科医院で相談して下さい。
 「知覚過敏」は様々な要因から発症します。
 痛みの有無にかかわらず、定期的に健診を受けて、快適な口腔環境を保つように心掛けて下さい。