フッ素とキシリトールでムシ歯予防
平成29年2月27日(月) 掲載
歯の表面にはエナメル質があります。
エナメル質はリン酸カルシウム(ハイドロキシアパタイト)で出来ています。
糖や炭水化物を摂取する度に、ムシ歯菌(プラーク)がこれらを代謝させて酸を 作り、エナメル質が溶けだして(脱灰する=口の中が、酸性の状態で、歯からカルシウムやリン酸がだ液中に溶け出す現象)しまいます。
そして再び、溶け出したカルシウムやリン酸が、再び歯質中に取り込まれる 現象を再石灰化と言います。
歯は、脱灰と再石灰化を繰り返し、脱灰が継続すると歯の中のミネラルが溶け初期のムシ歯になります(歯の表面に斑状の白っぽいものができます)。
さらに脱灰が進むと、歯に穴があくようなムシ歯ができます。
しかし、歯の表面に斑状の白っぽい初期のムシ歯が出来ても、再石灰化ができるような環境になり、この状況を持続させれば、ムシ歯の進行が止まり、ミネラルが沈着してムシ歯が消えることが期待されます。
フッ素とキシリトールには、歯の再石灰化を促す働きがあります。
特に、口の中の環境が、糖の濃度が低く、だ液の流れが良く、歯にプラーク(ムシ歯菌)が少ない状態で、フッ素とキシリトールを利用すれば、再石灰化する度合いが高くなります。
フッ素は、私たちの身近な食品(お茶や海産物)などにも含まれています。
脱灰してしまったエナメル質も、周囲にフッ化物が存在すると、再石灰化が促進されより、結晶性の高い歯の質になるといわれています。
そしてその一部は、通常よりも結晶性の高いフルオロアパタイトとなり、耐酸性が高く、ムシ歯になりにくい歯に生まれ変わります。
歯の質だけでなく、ムシ歯菌を抑制したり、口の中が酸性になるのを防ぐ作用もあります。
キシリトールは自然界の樹木や果物に含まれる天然素材の甘味料です。
主に白樺から取れるキシランを原料に作られ、フィンランドから輸入されています。
カロリーは砂糖の75%で、ムシ歯菌が発酵されないため、酸が作られず、継続して摂取することで、プラーク(歯垢)の量が著しく減少し、プラーク(歯垢)そのものも、歯ブラシで取れやすい性質に変えることが出来ます。
また、初期ムシ歯を再石灰化させたり、甘味によりだ液の分泌を促進させ、ムシ歯予防効果を高めます。
1度に多量に食べると、お腹がゆるくなることがありますので注意が必要です。
ムシ歯予防の基本は、「歯磨き(ブラッシング)」、「正しい食生活」、「フッ素の利用」そして「定期健診」です。
食事の後に、「キシリトール」入りガムを噛むことで、楽しくムシ歯予防されてはいかがでしょうか。