8020(ハチマルニイマル)とは?

平成29年6月19日(月) 掲載

8020(ハチマルニイマル)」って聞いたことがありますか?
 厚生労働省と日本歯科医師会が推奨している運動で、「80歳になっても20本以上自分の歯を保つことで、しっかりと美味しく食事をして、健康で充実した毎日を送りましょう」という取り組みです。

 では、なぜ80歳で20本以上の歯が必要なのでしょうか。
 歯は食事をするためにとても大切な器官です。
 20本はしっかり噛むために最低限の本数なのです。
 食事の時によく噛み砕くことによって、胃や腸への負担が少なくなりますし、さらに噛むことで、脳への刺激になり、集中力が高まって、認知症の予防にも繋がります。

 そもそも歯は、年齢を重ねることで自然と抜けていくわけではありません。
 日本では80歳以上の平均的な残っている歯の本数は約10本で、自分の歯が 20本以上ある人は全体の21%程度です(2005年 厚生労働省調べ)。
 それに比べて、歯科先進国と言われるスウェーデンでは80歳で20本を実現し、アメリカやオーストラリアも20本近く歯が残っています。
 これらの国では、歯科医院に通うことが習慣化しています。
 意識の差によって自分の歯を残すことは可能なのです。  

 歯を失ってしまう大きな原因は「ムシ歯」と「歯周病」です。
 つまり、「ムシ歯」と「歯周病」を防ぐことができれば、歯を残すことができ るのです。
 現在の歯科医療では、定期的な管理により、ほとんどの「ムシ歯」や「歯周病」が予防できます。

 更に、究極の予防として、歯並びや噛み合わせを改善する矯正治療で、セルフケアも簡単に行えるようになります。
 歯並びが整っていれば、歯みがきもスムースに行えるので、「ムシ歯」や「歯周病」のリスクも低くなります。
 また、歯が健康で口の中が清潔なら、口臭も少なくなり、人づきあいのエチケットとしても、出会った時の第一印象も良くなります。  

 実は、8020を達成するためには噛み合わせが大きく影響しています。
 8020を達成した方の歯並びをみると、骨格的に問題のある不正咬合は認められず、ほぼ全員が良好な噛み合わせをしていたそうです。
 特に反対咬合(受け口)の方は一人も認められませんでした。
 逆に言えば、噛み合わせのバランスが悪いと、歯磨きもやりにくく、お口の中を清潔に保つのも難しいので、「ムシ歯」や「歯周病」になるリスクが高くなり、歯を失いやすくなります。

 最近は健康への関心が高まり、歯に対する意識も向上しています。
 若かった頃、歯で苦労された経験から、お子さんに矯正治療を希望する方が多くおられますが、未来のご自身のために20~40代で矯正治療を始める方も増えています。
 歯を失っていなければ何歳からでも矯正治療は可能です。
 世界一の長寿国日本、自分の歯を大切にして、より豊かな生活のために、歯医者さんに相談して8020を達成しましょう!