歯科の3大疾患の1つ「顎関節症」とは・・・

平成29年6月26日(月) 掲載

顎関節症(がくかんせつしょう)は現代病の一つとされ、口を開閉するときに生じる顎(あご)の関節の異常のことです。
 なりやすい年齢は、下は10代から上は60歳以上と幅広く、20代~30代の女性に多いとも言われています。  

 その症状には特徴があり、次に揚げる内のいずれかに該当する場合に、顎関節症と診断されます。

①口を開閉すると、耳の近くの顎(あご)の関節付近で「変な音」がすることです。 大抵の場合、この症状が気になり始めて歯科医院を訪れるケースが殆どです。 特に口を開けた時に「関節雑音」と呼ばれる異音が出るのが特徴です。 その「関節雑音」にも二種類あり、「クリック音…パキっ、コリ」っという雑音と「クリピタス音…ジャリ、ギシッ」という雑音です。 こういった関節雑音が出る場合、顎関節症の疑いが濃厚になります。 雑音が生じている段階では、痛みが無いことが多いため、そのまま放置してしまうケースが多いので注意が必要です。

②それから、顎関節症が進行した場合、「痛み」が出てくることがあります。これは顎(あご)やその周辺の筋肉、顎(あご)の関節付近(耳の付近)、顎(あご)の運動を制御している「靱帯」の付近に痛みが出てきます。 最初は関節雑音であったものが、段階的に症状が悪化しているのです。 痛みは、「顎(あご)の痛み」→「顎(あご)の関節が痛み」→「顎(あご)の周辺(こめかみ・耳の後ろ・ほお・首)の痛み」→「頭痛・肩こり」といった具合に、次第に痛みの範囲が広がっていきます。 これらは全て顎関節症に伴う筋肉の緊張から来るものです。  ただ、痛みを伴うからといって、全て顎関節症とは限りません。 症状だけからはと見分けが付かないこともあります。

③最後は、口を充分に大きく開閉することができない「開口障害」になります。 これは、顎関節症がかなり進んだ段階になります。
こうなると、口を大きく開けることができないため、生活にも支障がでてきます。   顎関節症の方は、指3本が立てた状態で口に入れることができません。 顎関節症になる原因はいくつかありますが、大抵は複数の原因が重なりあって起こることが多いのです。

しかし医学的に認められている主な原因とされているのは、次の3つです。

①「顎関節(がくかんせつ)の変形」 これは、顎(あご)にボールがぶつかる、転倒して顎(あご)を打撲する、殴打されて顎関節がおかしくなるなど、物理的な障害が原因で起こるケースです。

②「歯のかみ合わせの異常」 いわゆる噛み合わせや歯並びが悪いことから起こります。 歯が抜けたり、かぶせていたものが取れたり、あるいは親知らずが生えてきたことで歯のかみ合わせが悪くなり、その結果、顎(あご)の運動が不自然となり顎関節症となるケースです。

③「精神的なストレス」 実はストレスが顎関節症の原因となっていることが多いようです。 ストレスにはいろいろなストレスがありますが、就寝中の歯ぎしり、あるいはストレスが加わったときに無意識のうちに歯を食いしばったりすると、顎(あご)の周辺の筋肉に負担をかけてしまうことになります。

更に、いろいろな要因が重なり合って顎関節症が発生してしまいます。
最近、「噛み合わせがしっくりこない」とか、「口を開けると変な音がする」「歯ぎしりを指摘された」など、思い当たる節がある時は、一度近くの歯医者さんで相談してみてはいかがでしょうか?