フッ素のムシ歯予防効果は?

平成30年1月22日(月) 掲載

フッ素は海水、河川、土の中など、地球上に広く存在する自然のものです。 ヒトの体の中では、歯や骨に多く含まれています。
 フッ素が多く含まれるものには、魚介類、海草類、お茶(緑茶、紅茶、ウーロン茶)類などがあり、私たちは毎日の飲食から「フッ化物」を身体にとり入れています。
 フッ素は、ヒトの身体とくに歯や骨を丈夫にする有益元素です。
 歯への効果としては、歯の表面のエナメル質を強化し、酸に溶けにくい強い歯をつくります。
 歯は食事の度に溶けたり(脱灰)、再生したり(再石灰化)を繰り返しています。
 特に生えたての歯はエナメル質の結晶に不安定な成分が混ざっているため、 歯の表面はムシ歯になりやすいので、フッ素はこの不安定な部分に入り込み、歯の結晶構造を丈夫なものにして、ムシ歯菌に対する抵抗力を強くします。
 脱灰ばかりが起こるようになると、やがて再生できなくなり、ムシ歯になります。
 フッ素はこの再生(再石灰化)を促進させます。
 更にフッ素は、細菌を弱らせる働きがあり、歯垢(プラーク)の生成を抑え、ムシ歯菌を弱らせます。
 ムシ歯菌が出す酸の量を減らすことで、ムシ歯になりにくくなります。
 それでは、フッ素を歯に塗布するのは、いつ頃から始めたらよいのでしょうか?
 それは、歯が生え始めたときがフッ素を開始する時期といえます。
 乳歯でも永久歯でも生えてすぐの歯は、フッ素を取り込みやすく、この時期にフッ素を塗布しておくと、それだけ丈夫な歯に成長します。
 小学生では、生えたての歯にフッ素を塗布するのが最も効果的です。
 6歳臼歯(第一大臼歯)をはじめ、乳歯から永久歯に生えかわる時期が一番効果的です。
 ムシ歯は、歯が生え始めから2~3年の間にかかることが多く、学童期のムシ歯予防は、将来健全な永久歯を保つためにとても重要となります。  フッ素の上手な利用は、効果的なムシ歯予防に役立ちます。
 また効果を高めるために次の3つに気をつけてください。
 1)フッ素を塗る前に、きちんとプラークを落としましょう。
 2)定期的にフッ素を塗りましょう。
 3)フッ素を塗ったら、30分位は飲食をしないようにしましょう。
 乳歯が生え始めたら、永久歯が生え始めたら、定期的に歯科医院でフッ素を塗布することをお勧めします。