フッ素の効果は?いつから始めたらいいの?

平成30年9月3日(月) 掲載

フッ素の効果は?
 フッ素は私たちの身近な自然にある元素のひとつです。
 お茶や魚介類など多くの食品にふくまれています。
 フッ素はムシ歯予防にかかせないだけでなく、歯や骨をつくるために大切な役割を果たしています。
 フッ素は、歯と口の中のムシ歯の原因菌に作用して、ムシ歯になりにくくする効果があるとされています。
 まず1番目の効果は、歯質の強化です。
 これは、生えてきて間もない幼若な歯のエナメル質の成分であるハイドロキシアパタイトの結晶が、フッ素に触れ耐酸性のあるフルオロアパタイトの結晶に置き換わり、歯の質を丈夫にし、酸に溶けにくい歯にします。
 2番目の効果が再石灰化です。
 これは、脱灰しムシ歯になりかけたエナメル質に作用し、酸によって溶け出したカルシウム、リンの再沈着を促進させます。
 3番目の効果が、細菌の酸産生抑制効果です。 これは、フッ素が歯磨きで取りきれなかった歯垢(プラーク)中のムシ歯の原因菌の酸産生酵素の働きを抑制することによって、酸がつくられるのを抑えます。
 =いつから始めたらいいの?=
 歯は最初から大人の歯のように硬い状態で萌出してくるわけではありません。
 生えたての乳歯や永久歯は、とても柔らかい状態で生えてきて、その後だ液 などに含まれるフッ素やカルシウムなどのミネラル成分が少しずつ成熟してい きます。
 そのため大人の永久歯と比べ、萌出したばかりの乳歯や永久歯は、成熟する まではムシ歯になりやすい状態です。
 そこで前述したように、フッ素の歯質強化作用、再石灰化作用、ムシ歯原因菌の酸産生抑制作用を利用して、生えたての乳歯や永久歯を早く成熟(石灰化)させて、ムシ歯になりにくい性質の歯にする必要があります。
 また成人では、歯周病や部分入れ歯の使用によって、あごの骨がやせてしまい、普段ならグキに覆(おお)われているはずの歯の根の部分(セメント質)や象牙質(エナメル質の下にある歯質)が露出してくることがあります。
 こういった場合には、セメント質や象牙質は柔らかくムシ歯になりやすいため、フッ素を塗ることにより、ムシ歯になるリスクを下げることが期待できます。
 最初の乳歯が生え始めた時が、フッ素の開始時期と言えます。