手足口病

令和2年2月24日(月) 掲載

手足口病」。何か変てこな名前の病気ですが、その名のとおり、「手」・「足」・「口」に発疹(ほっしん)や水疱(すいほう=水ぶくれ)ができる急性のウイルス感染症です。 英語では<Hand-Foot-Mouth Disease>といいます。
 原因となるウイルスはいくつかありますが、代表的なものがコクサッキーウイルスA10およびA16、エンテロウイルス 71と呼ばれるものです。
 どのウイルスでも、現れる症状は同じです。
 これらのウイルスは口の中や腸の中で増殖するため、感染した人の鼻汁や便、咳(せき)やくしゃみなどにより経口(けいこう)・飛沫(ひまつ)・接触などの経路で人から人に感染します。
 流行は夏場のこと多く、主に乳幼児や10歳以下の小児がかかりやすい病気ですが、大人がかかることもあります。
 症状としては、感染してから3~6日の潜伏期間の後、主に手のひらや足の裏、指の間などに米粒ほどの赤い発疹(ほっしん)あるいは水疱(すいほう)ができ、口の中の粘膜に赤い水疱(すいほう)が出始めます。
 乳児の場合はおしりや膝(ひざ)に発疹(ほっしん)・水疱(すいほう)が出ることもあります。
 発熱は軽度で、通常は高熱が続くことはありません。
 しかし、高熱がでたり微熱が続く場合や、意識障害、嘔吐を繰り返すなどの場合はすぐに受診が必要です。
 通常痛みはありませんが、口の中の水疱(すいほう)が破れて、びらんや潰瘍(かいよう)になると痛みをともないます。
 小さな子どもの場合、痛みのために食事がとれず、脱水傾向を起こすこともありますので注意が必要です。
 また稀(まれ)に、髄膜炎、小脳失調症、脳炎などといった中枢神経系の合併症のほか、心筋症などさまざまな症状がでることもあります。
 治療法は、「手足口病」には有効な予防法も治療法もありませんが、ほとんどの場合7~10日程度で自然治癒します。
 その間は発熱、頭痛、発疹(ほっしん)・水疱(すいほう)への対症療法が中心になります。
 前述したように、経口(けいこう)・飛沫(ひまつ)・接触により感染源になることがありますので、不必要な外出は避け、安静にしていることが大切です。
 合併症もほとんどありませんが、中枢神経系の合併症の場合には入院が必要となりますので、病状を注視することだけは心がけて下さい。