アゴがカクカク音がします 
=顎関節症(がくかんせつしょう)=

令和2年6月22日(月) 掲載

顎 (あご)が開けづらくなったり,顎(あご)を開けると痛みがあるなど、その症状も原因もまちまちですが、顎(あご)を動かしたときに何らかの症状があるものを総じて「顎関節症(がくかんせつしょう)」と呼びます。
 激しい痛みを伴う場合は少ないのですが、毎日必ず動かす顎(あご)の関節ですから、違和感があるだけでもかなり気になります。
 口が開かなくなったりすると、食事が取りにくくなったり、他の病気を引き起こすことも考えられます。
 顎関節症(がくかんせつしょう)はかなり多くの人に見られる疾病ですが、「よくあることだから気にしない」のではなく、しっかりと治療をすることが大切です。
 顎関節症(がくかんせつしょう)は顎(あご)を動かしたときの関節や関係する筋肉の変化によって起こる疾病です。
 その原因によって、症状もさまざまです。
 よく見られるのは、口を開けるときの痛み、「カクン」と音がする、開けようとしても口が開かないなどがあります。
 実際にはこの3つの症状がかなりの割合を占めています。
 それ以外の症状では、こめかみの周辺の痛み、歯グキの違和感、歯を噛みしめたときの痛み、噛みあわせの異常などがあげられます。
 原因も症状によって違いますが、顎関節(がくかんせつ)の不具合やその周囲の腱や筋肉の異常が原因となる場合が殆どです。  
 食生活の変化なども影響していて、ここ十数年で一気に顎関節症(がくかんせつしょう)を訴える人が増えたのは、現代の食生活にも原因があると言われています。
 特に若年層で患者が多いのも特徴で、10代後半から20代30代にかけて多く発症しています。
 また、男性に比べて女性の患者が多く、これは女性のほうがどうしても腱や筋肉が弱いことが原因だといわれますが、詳しくはよく解っていません。
 女性ホルモンが影響している説や、女性のほうが痛みに敏感などといった説もあります。  顎関節症(がくかんせつしょう)の治療方法は、まず顎関節(がくかんせつ)に直接施す治療があげられます。
 ずれている顎(あご)の関節を正しい位置に戻すことで症状が改善する場合もありますし、比較的軽度の場合は、ホットパックで外部から暖めて血行を促すことで筋肉をほぐし痛みを軽くすることもできます。
 歯科的な治療法でよく使われるのがマウスピースです。
 マウスピースを装着すると、顎関節(がくかんせつ)を安定した位置で固定できるため、痛みが和らぎ顎(あご)の矯正効果が得られます。程度によっては手術が必要な場合もあります。
 噛み合わせが悪かったり、ムシ歯で片方の歯でしか噛むことが出来ないといった場合には、ムシ歯の治療を行ったり、歯を削ったりして噛み合わせを調整する必要があります。
 その他、痛みが強いときには鎮痛剤を処方したり、筋肉のしこりなどがある場合には筋肉弛緩剤(きんにくちかんざい)を利用することもあります。
 悪習癖(悪い癖)が原因の場合、片方ばかりで噛んでいたり、頬杖をついたりなどは、意識してやめることで治るケースもあります。
 予防には、必要以上に歯を噛みしめない、口を大きく開けすぎないことも大切ですし、全身運動により血行を促進して基礎体力を付けることが必要です。また、過度の緊張で顎関節に負担をかける顔の横にある咀嚼筋群をマッサージする事も有効です。
 普段から良い姿勢を心がけ、ストレスを溜めないようにリラックスして過ごすことが大切です。