歯石(しせき)ってなんですか?

令和2年12月7日(月) 掲載

歯石は、歯の表面に溜まったプラーク(歯垢)が、だ液の中に含まれるカルシウム成分を取り込んで石灰化して硬くなったものです。 ブラッシングが行き届いていない歯の表面には、プラークと呼ばれる細菌の塊(かたまり)が作られます。 プラーク(歯垢)は、時間が経つにつれて徐々に、だ液の中に含まれるカルシウムを取り込みながら石灰化し、硬い歯石へと変化していきます。
 いったん歯石が歯に付くと、さらにその表面に付いたプラーク(歯垢)が新しく石灰化をはじめるようになります。 こうして石灰化が繰り返し起こることによって、層状に石灰化して歯石が増えていきます。
 プラーク(歯垢)が歯石になるまでにかかる時間は諸説様々ですが、概ね48時間と言われています。
 歯石は歯グキの縁から上にできる歯肉縁上(しにくえんじょう)歯石と、歯グキの縁よりも下にできる歯肉縁下(しにくえんか)歯石があります。
 歯肉縁上歯石は主に、歯と歯グキの境や歯と歯の間にできやすく、下の前歯の裏側や上の奥歯表面など、だ液の出口付近に溜まりやすい傾向があり、目で確認することができます。
 一方、歯肉縁下歯石はどの歯にも付きやすく、歯グキにかくれているため肉眼で確認することは困難です。
 色は暗褐色でとても硬く、歯の根っこの表面などに強固に付いてしまうために、取り除くことが難しいという特徴があります。
 歯石そのものに害はないとされていますが、その表面がザラザラしているため、プラーク(歯垢)が付きやすい環境を作ってしまうことが問題となります。
 プラーク(歯垢)は柔らかいので、正しいブラッシンクで取り除くことができますが、歯石は縁上・縁下どちらも、歯磨きだけでは取り除くことができません。
 定期的に歯科医院で取ってもらうことが必要となります。
 歯石を取り除くには、スケーラーと呼ばれる専用の器具を使いますが、手の動きで取る手用のものと、超音波を応用した機械式のものがあります。
 どちらの器具を使うかは、歯石の付いている状態や量、場所などの状況により異なりますが、もっとも適切な方法を歯科医師、歯科衛生士が判断して行います。
 前述の通り、歯石は付いてしまってからでは自分で取ることはできませんし、歯ブラシなどの清掃道具を使っても取れるものではありません。
 したがって、日頃から正しいブラッシングを行い、歯にプラーク(歯垢)が付かないようにすることと、歯科医院で定期的に検査を受けた上で、歯に付いた歯石は、できるだけ早い内に取り除くことが大切です。