歯科衛生士が考える新型コロナ感染症 その3

令和3年7月26日(月) 掲載

私は豊橋市内の歯科医院に勤務する歯科衛生士です。今回で3回目となるこのコラムですが、今回は歯科衛生士から患者さんへのお願いについてお話しさせていただきます。
 お口の中の治療を行うのにもかかわらず、今まで歯科医院での新型コロナウィルス感染が抑えられていたのは、 歯科医院側の新型コロナ以前から習慣化している徹底した感染対策によるものであるらしいことが分かってきました。しかし感染を抑えるためには患者さんのご協力も不可欠です。
 歯科衛生士として患者さんに7つのお願いをしたいと思います。
1. 来院時にはマスクをしていただくこと 治療時以外は待合室、診療室での着用をお願いいたします。
2. 手をきれいにすること 診療前後の手洗い・手指消毒に加え、なるべくご自身のお口を手で触らないで下さい。
3. お口の中を清潔に保つこと お口の中が汚れているとウイルスが侵入しやすい状態になります。歯科衛生士による定期的なケアを受けている人と受けていない人ではインフルエンザの発症率に約10倍の差が出たという報告もあるので、 新型コロナウィルスにも当てはまるかもしれません。新型コロナ収束後に検証が必要だと思います。
4. 虫歯や歯周病は放置しないこと 歯周病は糖尿病、循環器疾患、認知症などの全身疾患にも関与すると言われ、血管内の凝固異常を症状の1つとする新型コロナウィルスとの関連も危惧されます。
5. メンテナンスは継続すること 感染を心配し自分の判断で中断しないことをおすすめします。不安な場合はかかりつけ歯科医に相談してください。
6. 受診前には電話でご連絡いただくこと 待合室が密にならないよう予約調整をしている歯科医院もあるので、なるべく空いている時間帯にご来院いただくようご協力をお願いいたします。
7. 待合室、診療室内での大声での会話はお控えいただくこと 特に待合室ではソーシャルディスタンスを保ち静かにお過ごしください。
 現状では誰でも新型コロナウィルスの感染は心配です。しかし自己判断で歯科治療やメンテナンスを中断することは危険です。中断による疾患の重症化や、 急性化を最近診療室でも時々目にします。ご不安があれば必ず歯科医師に相談してください。
 新型コロナウィルスに対して正しい知識があり、正しく恐れることができれば、歯科衛生士は決して危険な職業ではありません。 豊橋歯科医師会が運営する豊橋歯科衛生士学校では今年も夏休み期間中(7月29日、8月5日、8月19日)に感染対策を充分にとってオープンキャンパスを開催しますので歯科衛生士を志す方はぜひ参加し、 新型コロナウィルスに対する不安を解消してください。ご家族のご参加も歓迎いたします。