喫煙

令和4年6月6日(月) 掲載

タバコがお口の健康にもよくない事をご存知ですか?タバコの煙には数千もの化学物質が含まれていて、そのうちニコチンなどの有害物質は200とも300とも言われます。 そのため喫煙は、癌、循環器疾患(心臓病、脳卒中)、呼吸器疾患(肺気腫、喘息)などの多くの病気の原因であることはよく知られています。 タバコの煙の入口となる消化器としての口の中、特に、歯肉を含めた歯周組織は、直接、その影響を受けることになります。 つまり喫煙は、糖尿病と並んで、歯周病(歯槽のうろう)の二大危険因子となります。 ある統計データによると、歯周病にかかる危険は1日10本以上喫煙すると5.4倍に、10年以上吸っていると4.3倍に上昇し、また重症化しやすくなります。 タバコを吸っていると歯肉の腫れや出血が見た目上抑えられ、患者さん自身が歯周病に気づきにくくもなります。タバコの煙に含まれる「一酸化炭素」は歯肉組織への酸素供給を妨げますし、 「ニコチン」は一種の神経毒で、血管を縮ませるので、体が酸欠・栄養不足状態になります。 ニコチンは体を守る免疫の機能も狂わせますので、病気に対する抵抗力が落ちたり、アレルギーが出やすくなります。 また、「ヤニ」という形で歯の表面に残っているので、歯がざらざらして歯周病菌が張り付きやすくなります。その結果、喫煙者では、歯周炎が進行し、 そればかりではなく、歯周病の治療への反応や歯周外科手術の経過が不良になることもはっきりしています。また、受動喫煙によっても、歯肉メラニン色素沈着や歯周病のリスクが高くなることが報告されています。でも、安心して下さい。歯周病治療の効果は禁煙すれば上がりやすくなることが報告されています。現在、健康保険等を使って禁煙治療が受けられるようになりました。 健康保険等で禁煙治療を受けたい方は、事前に医療機関にお問い合わせしてください。タバコはやめた方が良いと分かってはいても・・・そんな人は、せめて一日の喫煙本数を減らすことからでも始めてみてはいかがでしょうか?