意外と忘れがちな医療費控除

令和4年9月26日(月) 掲載

確定申告」は、主に自営業の方が「所得税」を納める場合や予定より所得税を多く払いすぎた場合に還してもらうために行う手続きなので、サラリーマンには関係ないと思われがちですが、例えば副業を持っている方や投資や不動産収入がある方などは、会社からの給料とは別に収入があるため,基本的には「確定申告」が必要となります。
 また、会社を退職したり,出産で家族が増えたり,医療費が10万円を超えた場合などは,それらの事情を確定申告をすれば税金が還付される場合があります。
 このように、それぞれの事情に合わせて計算する手続きが「確定申告」です。
 医療費が10万円を超えた場合などは、「医療費控除」が受けられます。
 「医療費控除」は、医療費を支払った場合に適応となる控除で、対象となるのは「自分自身もしくは自分と生計を共にする配偶者やその他の親族のために支払った医療費」です。
 その年の1月1日から12月31日までの1年間に支払った医療費です。
 クレジットカードでの支払いやローンを利用して決算した場合には、信販契 約成立時(クレジット会社が銀行口座から引き落とした日でない)の年において、元金のみが控除の対象となります(利息や遅延損害金は対象外)。
 未払いの医療費については、翌年以降の支払った年において控除の対象となります。
 具体的に「医療費控除」の対象となるものには、「医療を受けた」、「薬を処方された」など、病院・医院・歯科医院・薬局で支払った医療費は当然「医療費控除」の対象になりますが、注意しなければならない点は、「美容目的(審美目的)」で医療を受けた場合は、「医療費控除」の対象外になります。
 例えば、歯科において疾患治療(ムシ歯の治療)のための「金歯で治療した」 とか、「歯の抜けているところにインプラントで歯を入れた!」などは、「医療 費控除」の対象として認められますが、美容目的のための矯正治療やインプラ ント治療を行った場合は認められません(ただし、小児の歯列矯正は、子どもの 成長・発育に関連しているために認められます)。
 また、エチケットとして歯を磨くための歯ブラシは「医療費控除」の対象外 ですが、歯周病の治療を目的として歯科医院で購入した歯ブラシ・歯間ブラシ・薬用歯磨きなどは「医療費控除」の対象となります。 「医療費控除」を申告する場合は、「医療費控除」に関する事項を記載した確 定申告書の提出が必要となります。
 その際、領収書などの「領収した者のその領収を証する書類」を確定申告書に添付するか確定申告書の提出の際に提示しなければなりません。
 尚、健康保険組合から送られてきた「医療費のお知らせ」は、医療費の支払 の事実を確認することができないため領収書の代りとすることはできません。
 給与所得のある方は、源泉徴収書の原本と印鑑を持参の上、確定申告して下さい。  
 詳しくは、お近くの税務署でご相談下さい。