歯のQ&A

平成25年2月8日(金) 東日新聞掲載

歯の健康が気になって、久々に歯医者さんに行きました。「奥歯がかなり擦り減っていますね!」って言われました。介護の仕事をしていますので、入居者を抱きかかえたり、重いものを持ち上げるときに力が入ります。そういったことが影響するのだと思います。何かよい方法はありますか?
(55歳男性、団体職員=新城市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会専務理事 加藤 正美
 上下の歯を強く噛みしめる(食いしばる)習慣があるのだと思います。
 音をたてることがないため、歯ぎしりのように、他人から指摘を受けることが少なく、歯科医院に健診に行った時に指摘を受ける人がほとんどです。
 この状況をこのまま放置してしまうと、噛みしめる力によって①歯が動揺する②歯が欠ける③歯が割れる④冷たいものがしみる(知覚過敏症)⑤顎(あご)に痛み、だるさ、開けづらさを感じる(顎関節症の症状)などの症状が出現することがあります。  
 治療法としては、スプリント(マウスピース)を装着して、上下の歯が直接触れ合わないように、噛み合わせる力の負担が歯に伝わらないようにすることです。
 力仕事をして強く噛み締めてしまう時や就寝時に、このスプリント(マウスピース)を装着して、歯に加わる負担を減らすことができます。
 このように最近では、歯に加わる力が悪影響を及ぼしているということがはっきり判ってきていますので、歯の汚れ(プラーク)のコントロールも大切ですが、それとともに歯に加わる力(噛み合わせる力)のコントロールも、歯の健康を維持する上で、重要なものと考えられています。  

過去に掲載された「歯のQ&A」や歯の関する情報は、豊橋市歯科医師会公式ホームページ「ミラー」でご覧い ただけます。
URL http://www.tda8020.org/