歯のQ&A

平成25年3月21日(木) 東日新聞掲載

右下の奥歯2本を10年前に抜歯して、あご付きの入れ歯を入れてもらいました。この入れ歯が行方不明だったので、しばらくの間、入れ歯なしで生活していました。最近になって見つかり、口の中に入れようとしたら、窮屈で入らないのです。面倒なので入れ歯なしで生活しようと思いますが、問題はないでしょうか?
(70代会社役員、男性=新城市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会広報部Ⅱ 村木  宏
 しばらく入れ歯を入れないで生活しているうちに、入れ歯が入らなくなってしまったということですね。
 確かに小さな入れ歯であれば、使用しなくても生活できてしまうかもしれませんし、入れ歯なしで生活してもいいかなと思えてしまうかもしれませんね。
 今回、「入れ歯なしで生活することで何か問題が生じるのか?」ということが気になっているようですが、入れ歯が窮屈になって入らなくなってしまったように、歯が抜けた状態を放置すると、周囲の歯の位置が少しずつズレてきます。
 何年も放置してしまうとかなりのズレが生じて、いろいろと困ることがでてきます。
 また、偏った噛み方により、顎関節(  がくかんせつ)の異常や全身的にも知らず知らずに影響が出てしまうこともあります。
 ご本人は必要性を感じていない場合であっても、使用した方がよいと判断されることが多いと思われます。
 義歯やお口の中の状況は、お一人お一人違うものです。
 噛み合わせや、周りの歯の状況、今までの経緯など、いろいろなことを総合的に考えて歯科医は治療の必要性を判断しています。
 場合によっては使用しなくてよいという判断となる可能性もあります。
 ご自分の判断だけで使わなくなってしまっては、あとで問題につながることもありますので、かかりつけの歯科医とよく相談され、ご自身のお口の中の状況と照らし合わせて決められることをお勧めします。  

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