歯のQ&A

平成26年8月27日(水) 東日新聞掲載

昔は綺麗な歯並びが、私の自慢でしたが、年を取るに従い段々歯が重なり合ってきたり、傾いてきた気がします。歯並びとは、それほど年々変化をするものなのでしょうか。
(60代女性、主婦=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  松山明敬 先生
 「昔は綺麗な歯並びで、こんな歯並びではなかった」と言われる方は沢山おられます。
 幾ら年齢がかさんだといたしましてもそんなに急に歯並びが変化することはありません。
 そこで考えられる事は、歯周病が進行しているのではないかと思われるのです。歯周病が進行いたしますと、歯を支えています顎の骨が溶かされますので、歯がぐらつき易くなります。それに、咬合力(噛む力)が加わりますので益々歯が傾斜したり、又は酷い状態になりますと、痛みが出たり自然に歯が抜けるような事もあります。
 今では全身疾患と歯周病との関係も解ってきておりますので、かかりつけの歯科医院に行かれて歯周病の検査をされた方が良いと思われます。もし歯周病が原因で歯並びが悪化したのであれば、しっかり歯周病の治療をされた後、気にされておられる歯列不正も治すことが可能です。
 ちなみに、歯周病と関係している様々な全身疾患には、狭心症、心筋梗塞、心内膜炎、糖尿病、認知症、動脈硬化、ガン、肺炎、骨粗しょう症、早産などが挙げられます。とりあえず、代表的なものをいくつか挙げさせて頂きましたが、今現在も様々な疾患との関係は研究中であります。
 定期的に歯科医院を受診して、健康な体を保つ事にも努めてはいかがでしょうか。

過去に掲載された「歯のQ&A」や歯の関する情報は、豊橋市歯科医師会公式ホームページ「ミラー」でご覧い ただけます。
URL http://www.tda8020.org/