歯のQ&A

平成28年8月15日(月) 東日新聞掲載

右上の奥歯が膿んでいると言われて、歯の根っこの治療をしています。3回通院していますが、聞けばまだ終わらないと言われました。回数がかかるのは歯医者さん的には普通のことなのでしょうか
(20代男性・新城市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  理事 松原 洋樹
 このケースは回数がかかる典型例です。まずは根っこに溜まっている膿を外に出す必要があります。これには膿が溜まっている歯に穴をあけ、そこから根っこまで続く通り道をあけ、膿を出す方法を用いることが多いです。まずその膿を出すのに回数がかかります。今回は上の奥歯ということですので歯の根っこが3本または4本ある場合がほとんどです。治療する歯は1本だったとしても、膿が溜まっている根っこの本数だけ同じ治療をしなければなりません。そして膿が出たあとはその根っこに再び膿が溜まることのないよう、根っこの中を洗い、消毒をし、薬を詰めてキレイにしなければなりません。この治療は何回やったら終わりというものではありません。症状が落ち着き、回復がみられたと歯科医が判断するまで繰り返し行うこともあります。症状が落ち着いたと判断されれば、そこから元のように噛めるようにしていく治療にとりかかっていくことになるでしょう。このように歯科治療に回数がかかるのには理由があります。歯科にかかる原因となる虫歯、歯周病などは病気の一種です。そしてそこで行われる治療は、医療行為です。そのため、「何回治療すればハイ終わり」、というわけにはいきません。病状が軽ければ短期間の治療回数で治癒となるケースもありますし、反対に病状が進んでいる場合は治療回数が多くかかる場合もあります。我々歯科医はその歯、その口腔内、その患者さんにとって最善、最良となる治療法を選択するよう常に心がけています。治療内容、治療方針等に疑問がおありの際は、お気軽にかかりつけ歯科医までお尋ね下さい。


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