歯のQ&A

平成29年3月29日(水) 東日新聞掲載

歯が割れてしまい、その歯を抜きました。なくなってしまった歯を補うには、保険の範囲内では取り外し式の入れ歯か、抜いたところの両隣の歯を削って3つ繋がった固定式の入れ歯しか方法がないと言われました。しかし、両隣の歯は悪いところがないとのことで、入れ歯は嫌ですが悪くない歯も削りたくありません。いい方法はないでしょうか。
(50代男性、会社員=田原市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  松原 洋樹
 お気持ちはとてもよく解ります。しかしこの場合の、保険で出来る治療法としては、ご説明を受けた通り、取り外し式の部分入れ歯か、繋がった固定式の入れ歯(ブッリジという)しか治療法はありません。入れ歯も嫌で、歯も削りたくない、となると保険外診療(自由診療)となるでしょう。保険外の自由診療であれば、入れ歯でもなく、両隣の歯を削らずに済むインプラント、あとは入れ歯でもより目立ちにくいもの、など治療法の選択肢は広がります。我々歯科医は、極力患者さんの望まれる治療法を選択したいと思っております。
しかし、その全てが保険の範囲内であるとは限りません。むしろ今回の例のように、保険診療というのは国が定めたルールの中、限られた範囲内での治療となりますので、保険範囲内での治療にこだわってしまうと、本当に望まれる治療が受けられない、なんてこともあるかも知れません。ここに記した治療法は一例ですので、かかりつけの歯科診療所にてお口全体の状態を精査し、どの治療法が適しているのか、今一度ご説明を受け、納得のいかれる選択をされることを切に願っております。


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