歯のQ&A

平成29年6月28日(水) 東日新聞掲載

2歳8ヶ月の娘のことですが、目を離すと右手の親指をすぐしゃぶります。そのためか、歯並びが出っ歯のように感じます。指にタコのように硬いものができるほどのものなのですが、やめさせるいい方法はないでしょうか。
(20代主婦=豊橋市)

[回答者]
豊橋市歯科医師会  副会長 中島 章雄
 指しゃぶりの考え方は、医師(小児科医)の立場からは、「生理的な人間の行為であるので、無理に止めさせない」という意見が多く、幼児が不安や緊張を解消する効果を重視しています。
 指しゃぶりによって歯並びなどに影響が出てしまうのは、個人差がありますが大体4歳を超えても指しゃぶりが治っていない場合に多いです。したがって歯科医師の立場からは、「4歳を過ぎた指しゃぶりは指導した方がよい」という意見が多くみられます。  指しゃぶりへの対応については、3歳頃までは、すぐに止めさせる必要はなく、子どもの生活リズムを整え、外遊びや運動によりエネルギーを発散させ、お絵かきや歌を唄うなどして手や口を使う機会を増やすようにします。
 スキンシップを図り、寝つくまで子どもの手を握ってあげたり、絵本を読んであげたりして、安心感を与えることも重要です。
 3歳を過ぎる頃になると子供は大人のいうことをある程度理解するようになります。まずは子供と一緒に指しゃぶりの症状を見て「指しゃぶりを続けているとこれがもっとひどいことになっちゃうよ」と諭してあげましょう。すると子供はまず「指しゃぶり=悪いこと」だと認識してくれます。そして「ママと一緒に頑張ってやめようね」と優しく止めることを勧めましょう。 頭ごなしに叱って止めさせようとしても子供は理解できません。逆に周りが焦ったり急かしたり押し付けたりと無理矢理止めさせるようとすればするほど、子供にとってはストレスとなりかえって悪影響を及ぼしてしまうでしょう。
 また少しでも指しゃぶりをしていないことを褒めることも忘れてはいけません。子供にとって褒められるということは非常に効果のある精神安定剤になります。褒められて嬉しくなれば、また褒められるように褒められることをしようとするものです。
 ご家庭での対応でも効果がみられない場合は、かかりつけまたはお近くの歯科医院で相談されることをお勧めします。


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