歯のQ&A

令和3年10月27日(水) 東日新聞掲載

毎日カルシウムをとれば歯が強くなりますか?
(10代 男性 学生)

[回答者]
豊橋市歯科医師会広報部Ⅰ理事・門園誠
 毎日牛乳や小魚などカルシウムを含む食品をたくさんとったら歯が丈夫になると思う人もいるでしょうが、実際にはそうでないようです。
 歯はカルシウムだけで構成されているわけではありません。カルシウムやリンといったミネラルは歯の材料になりますが、他にも重要な栄養素があります。例えば肉や魚、卵や豆腐などのタンパク質は、歯の基礎となる栄養素です。緑黄色野菜などに含まれるビタミンAは、歯のエナメル質を作りますし、野菜や果物に豊富なビタミンCは象牙質の形成に欠かせません。ビタミンDはカルシウムなどのミネラルが歯に定着するのを助けるサポート役になります。また、野菜やキノコに多く含まれる食物繊維は、歯の表面の汚れを除去してくれる効果があります。噛み応えのある食品は唾液を十分に分泌させて、いろいろと歯によい影響を与えてくれます。
 よって、カルシウムだけでなくバランスよく栄養をとれる食事が歯の健康を守り強くすることにつながるようです。