歯のQ&A

令和4年8月23日(火) 東日新聞掲載

最近息子が、あごが痛くて口を大きく開けられないと言います。どこで診てもらえばよいのかわかりません。どうしたらよいでしょうか?
(40代女性)

[回答者]
豊橋市歯科医師会・野田貴彦
 お子様の症状から、顎関節症(がくかんせつしょう)が疑われます。口を開ける時に痛みがある、口を開けたり閉じたりする時にカクカク音が鳴る、口が開きにくい等の症状が一つでもあれば、顎関節症の可能性があります。
 何科を受診すればよいかとのご質問ですが、口腔外科のある歯科医院または病院で問題はありません。また、口腔外科の標榜(ひょうぼう)がなくても診てもらえる歯科医院もありますので、まずはかかりつけの歯科医院に相談をするとよいと思います。子供の顎関節症の原因としては、一般的に大人と同じく生活習慣によるものが多く見られます。代表的なものに片側噛み、うつ伏せ寝、頬づえなどがあります。その他に歯ぎしり、食いしばりなども顎に負担がかかり、顎関節症の原因となります。例えば携帯ゲーム、スマートフォンで長時間遊ぶことで強いかみしめを引き起こして、顎に負担をかけていることもあります。
 最近では、ファストフードなどの柔らかい物を食べることが多くなり、昔に比べて顎関節や筋肉が弱くなっているという指摘があります。成長の過程で、かみ応えのある物を食べるようにし、顎の骨、筋肉の発達を促すことが大切だと思われます。
 以上のことにより、今一度生活習慣を見直してみる事も大事ですが、まずは早めに受診されることをおすすめします。