歯のQ&A

令和4年11月17日(木) 東日新聞掲載

何年か前に歯の掃除をしてもらって歯は悪くないと言われたのですが、最近ずっと歯が痛くてかめません。何が原因かわからなくて心配です。どうしたらよいでしょうか?
(70代女性)

[回答者]
豊橋歯科医師会・早川綾
 歯が痛くてかめないのは、さぞおつらいでしょう。  私も先日、眠れない程の耳の痛みに苦しみました。「痛み」というのは身体のどの部分であってもとてもつらいということを身をもって体験しました。
 さて、相談者様のお話では数年前に歯医者さんに行ったとのことですね。数年前には何ともなかったお口の中は、何年かたてば何かしらの歯の病気にかかっているかも知れません。 痛くてかめないと聞いて、私たちがまず思い浮かぶ代表的な病気は歯周病と虫歯です。
 まず歯周病についてですが、お口の中にいる歯周病菌が歯と歯茎の境目に入り込み、歯を支えている骨(歯槽骨)をゆっくりと破壊していく病気で、日本人の成人の80%以上がり患していると言われています。 歯を支えている土台の骨が減っていくと、当然グッとかんだ時に痛みやグラつき、また歯茎の腫れ等を自覚するようになります。
 また歯の代表的な病気である虫歯ですが、数カ月も放っておくと神経まで虫歯が進んでしまうこともあり、これもまた強い痛みを伴います。 虫歯が進行すると神経が死んでしまい歯の根っこの先に炎症を起こし、歯茎の腫れやかんだ時の痛みを引き起こします。
 そして年齢を重ねると、お口の中の唾液量は減り、また免疫力も少しずつ減ってくるため虫歯や歯周病になりやすいと言われています。 数年前と同じお口の中のケアを続けていても、虫歯や歯周病を予防しきれていない可能性があります。
 今回ここで紹介した痛みの原因はあくまでも代表的なものです。その他にも歯が割れていたり、歯ぎしりによる歯の痛みなども考えられます。 しかしながら、何が痛みの原因かを突き止めるには、歯医者さんに行ってレントゲンを撮ったり、詳しい検査をしないと分からないものがほとんどです。 痛みの原因を特定し、少しでも早く痛みや不安を取り除くためにも早急に歯医者さんを受診する事をお勧めします。そして、病気を予防したり、早期発見するためにも定期的に検診を受けられることもお勧めいたします。
 お大事になさってください。