歯のQ&A

令和5年3月9日(木) 東日新聞掲載

毎日、たばこを20本吸っています。それによって何か悪影響が口の中に出ますか?
(50代男性)

[回答者]
豊橋市歯科医師会・岡本 哲
 たばこを喫煙することは、百害あって一利なしと言われるように口腔内にとっても悪い影響しかありません。
 まず皆さんもよく知っている歯の表面に着くヤニ、これはたばこに含まれている有害物質のタールによって引き起こされます。毎日歯磨きをしっかりしていてもなかなか防ぎきることができません。この着色は、歯だけでなく歯肉にも黒く着色することがあります。そしてたばこに含まれるもう一つの有害物質のニコチン、このニコチンは血管収縮作用があり、口腔内の血流を悪くし酸素の供給や体を守る免疫機能の働きも悪くするため歯周病になりやすくなります。歯周病の治療を行っても喫煙していると治りがあまりよくありません。喫煙は歯周病の最も危険な因子です。歯周病の危険性が上がることにより歯周病による口臭、タールやニコチンの臭い、血行不良、唾液分泌の低下などによる口臭にも影響してきます。
 このように、喫煙はお口の中にいろいろ悪い影響をおよぼします。
 ですので、お口の中の健康を考えるのでしたらたばこはほどほどにしていただけるのが良いのではないでしょうか