令和6年3月11日(月) 掲載
成人の80%が罹っているといわれる歯周病。
その最大の原因は、長い間歯に付いたままになっている細菌の塊りが原因であることが判っています。
歯周病の治療を進めるためには、細菌やよごれを取り除き、清潔な状態を保つことが重要な鍵となります。
歯周病の治療法は、その進行状態によって異なります。
歯周病が軽度の場合は、歯周病検査後に初期治療として、お口の中を清潔な環境(状態)にしていくことが中心となります。
正しいブラッシング方法の修得や歯垢(プラーク)・歯石の除去、そして病原性細菌の除去を行います。
具体的には、歯ブラシやスケーラーと呼ばれる器具を使って、歯垢(プラーク)や歯石を機械的に取り除き、場合によっては歯周ポケット(歯と歯グキのすき間)内の不良な歯グキの一部を除去します。
その後、抗生物質や消毒薬を応用しながら、歯周病がそれ以上進行しないようにすることが軽度の歯周病の基本的な治療となります。
しかし、歯周病の進行状態(中程度から重度の場合)よっては、これらの初期治療だけでは治癒が見込めない場合が多々あります。
その場合は、歯グキを剥離(はくり=歯から歯グキをはがすことです)して、歯に付いている歯石や不良な歯グキを除去するフラップ手術と呼ばれる外科的な処置などが必要となることがあります。
特に重度に進行してしまった歯周病は、元通りの健康的な歯グキに回復させることは非常に困難なので、 破壊され溶けてしまった歯槽骨や歯周病に侵されている歯グキなどの歯周組織を再生させる外科処置(GTR法)などの再生治療を行わなければ、失われた歯槽骨や歯グキは元に戻りません。
こうした一連の処置により、ある程度歯周病が改善した後は、再発防止のために継続的にメンテナンスが行なわれます。 メンテナンスは、歯がお口の中で存在し続ける間、一生続けていかなければならないものと考えて下さい。
さらに、歯周病治療に付随して行わなければならない非常に大切なこととして、全身疾患の治療と生活環境の改善により免疫力を高めることが重要となります。
近年、歯周病を悪化させる原因として、糖尿病など始めとする生活習慣病や骨粗鬆症、喫煙、ストレス、睡眠不足などがよく取り上げられるようになりました。
大事なことは、歯周病の自覚症状が顕著に現れる前に、歯科医院でお口の中の定期健診を受け、歯周病の前段階にあたる歯肉炎の予防や早期の治療を行い、 歯周病における歯槽骨や歯周組織への進行を、未然に防ぐことがとても重要になります。
歯を磨いていて「出血した」、「痛い」、「水がしみる」、「歯グキが赤い」といった症状が出たら、イエローカードです!