令和6年5月6日(月) 掲載
歯の喪失によって、自分の老化を自覚することが多い といわれています。
若い頃は治療といっても、ムシ歯によって詰め物をし たり、被せたりということが多いですが、だんだん歳を 取るにつれ、自分の歯を抜かざるを得ないことも増えて いきます。
しかし、年を取ったからだれもが歯を抜かざるをえな くなるということではありません。
歯を失う原因の第一位は、単に加齢によってというこ とではなく、「歯周病」なのです。
本来、「歯周病」は適切な生活習慣を身につけていれ ば、防ぐことの出来る病気です。
なぜ防ぐことが出来るはずなのに、このような状況に なってしまうのでしょうか?
厚生労働省が定期的に行っている「歯科疾患実態調査」 によると、歯科に受診された方の歯グキに何らかの異常 所見のある人は全体の72.9%にも及び、45〜54歳の年齢 層で88.4%と最も高い率となっています。
しかし、その年齢層の方が、自分が「歯周病」になっ ていると自覚している割合とは開きがあるのではないで しょうか?
いろいろな方のお口の中を診せていただいてきた感覚 としては、自覚症状が無いために、むしろ自分の歯グキ は健康だと思っている方が多いように思われます。
どうやら、この自覚できる症状が出にくい病気である ということが、発見の遅れ、適切な対応をせずに過ごし て、病状を悪化してしまう原因になっているように思い ます。
8020推進財団の研究によると、歯科健診、歯科保 健指導、歯石除去、歯科のプロによる歯の清掃、フッ素 塗布などの定期的な予防管理が「8020」達成の鍵になっているそうです。
よく噛んで食べることは、肥満の防止や脳の活性化に 有効だということも分かってきていますし、歯が残って いることは、老後の生活の満足感に違いをもたらすこと も判っています。
悪くなってからでは、どんなに腕の良い歯医者さんで も、治療は難しくなるものです。
一本でも多くの歯を残し、快適な生活を送るためにも、 自分では「まだまだ大丈夫!」と思っている時期から、 適切なプロのケアを受ける習慣を取り入れてみてはいかがでしょうか?