令和6年6月17日(月) 掲載

 歯グキが下がってきたとか、歯が伸びてきたというようなことを耳にすることがあると思います。
 その原因には、①歯周病(歯槽のうろう)、②過労、栄養不良、糖尿病などの全身疾患、③過度のストレスや咬み合わせ(歯ぎしりやくいしばりなどの強い力で噛むこと)、④歯磨き時の強い力を入れて磨くこと(長期にわたる誤ったブラッシング法や硬い歯ブラシの乱用)、⑤老化(加齢)、⑥生まれつき歯グキが薄い人、歯を支えている骨が薄い人など、こういった原因が少しでもあれば、歯グキは下がりやすい場合があります。
 「歯グキが下がる」ということは、歯グキで被われている顎(あご)の骨が溶けてなくなってきてしまっていることが多いので、基本的には元に戻すことは大変難しいとされています。
 しかし、歯グキの症状が軽ければ、次のような処置によって回復する場合があります。
 1つ目は、歯と歯グキを清潔にすることです。
 歯グキを回復させる上で最も重要なのが、毎日の歯磨き(ブラッシング)です。 特に、歯グキの下がりが軽度であれば、正しい歯磨き(ブラッシング)を行うことにより改善する場合があります。
 また、歯磨きだけでは落とせない汚れや歯石などを、歯科医院で落としてもらうこともより効果的です。
 しかし、ムシ歯の治療のようにすぐに治るものではありません。 
 毎日の歯磨き(ブラッシング)を確実に行うことによって、長ければ数年かけて改善されていきます。
 2つ目は、外科的に歯グキを手術することです。  
 一部の歯グキの下がっている場合であれば、外科的手術により改善すること があります。
 方法としては、歯グキを移植する方法や薬を使って顎の骨(歯槽骨=しそうこ つ)を再生させて、歯グキを被せる方法などがあります(症例によってはできない場合もあります)。  
 外科的手術の場合は、どこの歯科医院でも行なえるわけではありません。
 気になる方はかかりつけの歯科医院でご相談ください。  
 日常生活において、歯グキを下がらないようにするには、食事は一日3食よ く噛んでだ液の量を増やし、食後には必ず正しい磨き方で歯を磨く(ブラッシン グ)、そして間食は控えればなお良いかと思います。
 一度、鏡でご自身の歯グキを確認して、普段の生活を見直してみてはいかが でしょうか?